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立ち止まって振り返ろう自分の健康
  お茶の水相互クリニック 院長  森近 浩

 地域検診や職場検診で「異常なし」と判定され、自覚症状などもない自分では全く健康だと思い込んでしまいます。そのあとで症状がでても若いから‥、すぐ良くなるからと健康を過信して放置してはいないでしょうか?人の体は生活しているのですから、体は昨日と今日、今日と明日と微妙にかわっています。毎日毎日、体の一つ一つの細胞は新陳代謝を繰り返し臓器も変化し、精神構造にも影響を及ぼしています。
何気なく生活しているなかで、あなたは一時(ひととき)でも自分の現在の健康状態について考え、反省し、そのうえ今の、これからの健康法について考えたことはあるでしょうか?最近では地域や職場の健康管理が行き届き、平均寿命が年々伸び高齢化社会になりました。イコール 健康社会ではありません。他人任せにしておいて、一人一人が必ずしも健康がいつまでも保たれるものでもありません。あまり日常健康に注意をはらわず徐々に発病していく糖尿病・高脂血症・高血圧・肥満症は特に生活習慣病として大きくとりあげられ対策がとられています。
しかし「内科系の慢性の病気」すべてが長い間の色々な生活の「歪み」が原因ですので、これらも広い意味の「生活習慣病」といっても言い過ぎではありません。昔から「健全な精神は、健全な肉体に宿る」の諺通り、メンタルの面でも同じことが言えます。人間は生まれてから20歳くらいまで細胞や臓器が発達しますが、それ以降は徐々に働きが衰えていきます。とくに血管や脳細胞は10代後半から老化がはじまり働きの悪くなっていくことはすでに実証されています。健康な肉体をいつまででももちつづけ、衰えていく時間を少しでも遅らせる生活の基本はいったい何でしょうか?云うに易く、行ない難「快眠」、「快食」、「快便」が基本にあることを忘れてはいけません。


睡眠
正常な人には睡眠時間は6時間から7時間必要です。最近、若い人の大半の睡眠時間が5時間から5時間半であるとの統計がでました。あたなの就床時間や起床時間はどうでしょうか?寝つきが悪い‥、ぐっすり眠れない‥、途中目が覚める‥、目覚めが悪い‥など、睡眠は生活の基準です。十分な睡眠は翌日の精神状態を安定させます。肉体的安静も必要です。骨や関節への負担を少なくし、筋肉の緊張をほぐし、筋肉をはじめ内臓臓器内の血行をよくして代謝を促進します。寝る前のぬるめの半身浴は心地よい睡眠を誘います。海外旅行後の「時差ボケ」、徹夜後の「体のダルサ」はよく経験することでしょう。眠れない原因がはっきりしているときはその原因を2〜3日かけても出来るだけ早く取り除くことが大切です。寝つきが悪いから、眠れないからなどの症状が短時間であっても、夜食をとったり、寝酒をしたり、また簡単に睡眠薬や催眠薬に手をのばすと、かえってその行動が常習となり決してよい結果を生みません。朝、眠くでも決まった時間に起床し、30分ぐらいの誤差があっても、外気から光を目に入れることが体内時計にスイッチを入れ、体内の活動が始まります。


食事
一日の食事時間と回数は原則として朝、昼、夕の3食です。一日2食主義をつらぬいているお相撲さん達もいますが、体内時計−生活のリズムからすると異常といえます。朝食と昼食は一日中の昼間のエネルギー源となりますので、特に朝食は蛋白質の多いもの、繊維の多いものなど適量のカロリーをしっかりととり、夕食は消化器系に負担をかけない消化のよいものを、就床前に少なくとも2〜3時間前に摂り終えることが大切です。あなたの食内容は食事(事:字源(略)祭りのお供えもの)でしょうか。それとも食餌(餌:字源(略)ねったダンゴの主食、俗にエサ)でしょうか。食事は単に空腹感を癒すものだけでなく、食材を選び、調理し、目で楽しみ、ゆっくり味わいながら食べるのが本当の「食事」です。一口10回噛むことは、消化器の負担を助け、脳を刺激し、腸の働きを活発にします。また朝の便通をよくし、夜には程よい眠りを誘います。夕食前の少量のアルコール類は食欲を出し、消化や胃腸の働きを助け、クスリにもなります。


便通
毎日食事をするわけですから、少なくとも2日に一度は便通のあるのは当然です。
起床時にコップ一杯の冷たい水を飲み、ゆっくりと噛んで朝食をとると、少しあとになって便意を感じます。 一日中で便意を最も感じるのは朝食後の約1時間前後です。これは「胃結腸反射」と云って、食べ物が胃に入り動きはじめると脳幹を刺激し、回盲部(大腸のはじまり)に大腸蠕動の命令が伝達されるからです。この機会を逃したり我慢したりすると便秘の誘因となります。若い女性に多く見られる便秘は、生理という女性ホルモンのバランスにも影響されますが、便意のある時に周囲を気にしたり、体重が増えると懸念して朝食をとらなかったり、また食事量を少なくしたりすることが原因となります。最近では若い男性にもみられます。長くつづくと習慣性便秘症になります。腹痛で医療機関を訪れる若い女性の大半は便秘が原因です。少なくとも2日に1回は適量の排便を確かめておく必要があります。宅急便ではありませんが、トイレはあなたの定期便を届けるところと思ってください。以上のように人間の体は「体内時計」に左右されます。健康の維持は「快眠」「快食」「快便」が基本であり、「いつでも、どこでも、一人でも」出来る毎日の全身運動と禁煙、節酒が加われば万全といえるでしょう。 今までのしてきた生活のしきたりを変えることは大変ですが、これらは誰が考えても当然のことです。1〜2週間騙されたと思ってやりつづければ、少しずつ体調もよくなり、習慣となって生活も改善されます。また病気の予防の基本となり「健康は最大の財産の糸口」にもなります。
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